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快晴93 物を見る三原則

12月 7th, 2017

いつもありがとうございます。

先日大学時代の同期から久しぶりに電話がかかってきました。年末も差し迫ってきた時期だったので忘年会の誘いか何かかと思いきやそうではなく相談があると言うのです。「実は若い従業員が長続きせずにどんどん辞めてしまって困っている。今も一人辞めたいと言い出した若い社員がいて明日話をするのだけれどどうしたものだろうか。」と何やら深刻な話を切り出してきました。彼は親の後を継ぎ中小企業の経営者という立場にいて20名ほどの社員を雇っているのですが離職率の高さに頭を悩ませていたのです。

なぜ私にその相談?と正直戸惑いましたが向こうは必死に話してくるのでどうにか力になれないかとこちらも真剣モードで頭を巡らせてみました。電話でのやりとりなのでざっとですが彼の話を聴いて感じたのはどうも目先にしか意識が向いていないなということ。明日話をする若い従業員を引き留めるのか、それとも辞めたいなら辞めていいよと突き放すのか、その判断だけに気が取られているようなのです。

私の最も尊敬する人物に安岡正篤という方がいるのですが、その先生が物事を見る際に三つの原則があると教えてくれています。一つ目は、重大な問題ほど決して目先にとらわれないで長い目で見るということ。二つ目は、物事の一面にとらわれないで多面的に全面的に見るということ。三つ目は、枝葉末節にとらわれないで根本的に見るということ。この原則に従って見るのと目先で一面的に見るのとでは結果が全く逆になることがあるものだと言うのです。

その先生のことばがふと頭に浮かんだので「その辞めたいと言い出している彼を無理やり引き留めることは賢明とは思えない、それよりどうして若い従業員がその会社で長く働きたいと思えないのかをこれを機会にリサーチした方がいいんじゃない。」といかにも分かったような偉そうなアドバイスをさせてもらいました。

人のよい彼なのでそんな私の話にも理解を示していましたが実際問題として中小企業で若い人材を育て定着させるということは口で言うほど簡単なことではなく一人いなくなったらすぐにその穴埋めをしなければ会社が回らなくなってしまう。目の前の問題をどうにかしなければならないという彼の切羽詰まった心境は察して余りあります。

ただもしこのまま根本的な解決策、打開策に目を向けずに付け焼刃で新しい従業員を補充したとしてもやはり人が定着しない苦しいサイクルから逃れることは難しいでしょう。

私も自分でスクールを経営しているので目先の人数や利益には敏感でいなければいけないのですが何か重要な決断を下さなければならない時にはこの三原則に照らし合わせて結論を出すようにしています。

それこそテニスを含めジュニアスポーツの世界においては目先の結果に一喜一憂しがちですがジュニア時代は早熟でちょっとした才能に恵まれていることから特に厳しい練習をしなくても勝ててしまう選手もいればいくら努力をしても結果が伴わない選手もいます。それは短いスパンで見ればそうかもしれませんが長い目で見るとにわか仕立ての選手は頭打ちになり、基礎をしっかり積み上げきた選手は後から急激に実力を発揮し始める。成果が見えない時期でも先を見据えて根本的な部分の確立に力を注ぎ続けることができるのかが分かれ目なのかもしれません。

彼からの着信履歴に電話をかけ直してあれこれと長話をしてしまった私ですが、翌月の料金明細を見て愕然。先読みがきっちりできていませんでした!

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