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快晴91 テニスと成熟度

12月 7th, 2017

いつもありがとうございます。

昨年冬に続きこの夏二度目のテニスアカデミー視察にフロリダへ行ってきました。前回の“快晴”でもその報告をしましたが書きそびれたことがあったのでいくつか印象的だったところを補足しておきます。

中学2年生の選手二人を連れて行ったのですが彼らがトライアルしたテニスアカデミーの責任者と話をした際いろいろとシステムや特徴を説明してもらいました。まず選手がトライアルに合格した場合、現在の力を総合的にテストしてどのチームに入るかを決める。各チームにはテクニック面でのコーチ以外にフィジカルトレーナー、メンタルトレーナー、マネージャーが付いていてサポート体制ができている。そして一定のレベルをクリアーすると上のチームにステップアップしていけるというシステムのようです。

感心したのは選手それぞれの体力を測定して数値化し負荷を上げたり下げたりすること。本人が疲れているからもう動けないと言ったとしても心拍数が上がっていなければさらに負荷をかけ、逆に本人がまだやれると言ったとしても心拍数があるラインを越えていれば止めさせる。数値で出されるので言い訳やごまかしが効かないという訳です。

そして最も印象的だったのはテクニック、フィジカル、メンタル、タクティクス(戦術)の要素以外にマチュアー【mature】という項目を設けていてそこをとても重視していたことです。マチュアーとは「成熟した、賢明な、分別のある」といった意味ですがそのマネージャーは理解力、素直さ、やりなさいと言ったことをすぐにこなせる能力などという説明をしていました。

ちょうどトライアルを受けた中学2年の二人と同じ13歳の選手がそのアカデミーに所属していたのですが彼はアカデミーのスカウトが目を付けてタイから呼び寄せたそうです。彼だけではなくその両親の生活費もすべてアカデミー側が賄うという条件で。それだけの投資をする価値があるとアカデミー側は踏んだ訳ですがその理由が彼はテクニックがすばらしいだけではなく“成熟度”も高いというところ。確かに彼の練習態度を見ていると基礎練習の繰り返しに対する忍耐強さ、集中力の高さがうかがえました。さらにそれだけテクニックも優れていて結果も出しているのだから天狗になりそうなものですがコーチの指摘や指示にたいして素直に耳を傾けている。なかなかできないことです。

メンタルの大切さを痛感している私はここ数年メンタルトレーニングに関して集中的に学んでいますがこの“成熟度”という要素はメンタルと重なる部分が大きいように感じます。“成熟度”をメンタルの分野に含めても差し支えないように思えますがそこのアカデミーがひとくくりにしなかったのは特別に強調したいという思いの表れでしょう。

考えてみれば賢明で分別があって素直な選手の上達が速いというのは当然のことかもしれませんが大雑把なコーチングイメージのあったフロリダにおいて“成熟度”にスポットを当てていたのは私にとって意外でした。だからこそ余計にその重要性に目を開かれた気がしています。

とはいえ、小学1、2年生の生徒たちに「テニスで強くなるためには成熟度を高めよ!」と叫んでみても「なんのこっちゃ⁉」という顔をされるのが落ち。彼らにはまずあいさつ、返事、人の話を聴くといった礼儀を身に付けてもらい相手への配慮や協調性を学んでもらうこと。それが結局は“成熟度”を高めることにつながるのでしょう。“成熟”とは対極にいる我が息子のことはとりあえず棚に上げておきますけど‼

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