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快晴86 常に全力を出し切る

12月 7th, 2017

いつもありがとうございます。

私の大好きな選手であるロジャー・フェデラーが見事な復活劇を遂げてきていますがその盟友であるラファエル・ナダルも怪我を克服して再び輝きを取り戻してきています。

先日行われたバルセロナオープンでは前人未到の10度目の優勝を飾りました。彼の得意なサーフェイス(コートの種類)はクレーでなんとこれまでに51回もクレーコートの大会でタイトルを獲得しているのです。その中にグランドスラムであるフレンチオープン9回の優勝という偉業も含まれているのですがクレーコートでの優勝回数は歴代トップでまさにクレーキングと呼ぶにふさわしい選手です。

テニスコートのサーフェイスは世界基準で見るとおもに3つに分かれており、最もポピュラーなハードコート、レンガを細かく砕いた赤土を敷き詰めたクレーコート、そしてグラス(芝)コートです。ナダルの出身国スペインや南米ではクレーコートがポピュラーで自然とジュニア時代からクレーコートに親しんでいるためクレーを得意とする選手が大勢育ってきていてその筆頭がナダルという訳です。

ではクレーコートの特徴はどういったところにあるのでしょうか。他のサーフェイスとの最も大きな違いはかなり球足が遅くなるということ。ハードコートやグラスコートであれば決まっていたであろうポイントがなかなか決まらず長いラリーになる頻度が高まるのです。ラリーが長くなれば体力を消耗するのでそれに耐えられるだけの強靭な身体が必要。しかも単発で決まらないということは戦術も駆使しなければポイントが奪えない。つまりクレーコートで勝つためには体力、知力、判断力、そして忍耐力が高いレベルで求められるのです。ジュニア時代にテニスの基盤を作るのに最も適しているサーフェイスだとしてジョコビッチも自分のアカデミーを創設する際クレーコートをメインに作らせたようです。

今回のバルセロナオープンでは若手の有望株筆頭であるティエムと決勝戦を戦ったのですが総合力でナダルがティエムの勢いを封じ込めてしまいました。試合終了直後に解説者の方が「常に全力を出し切れるナダルはすごい、毎回全力を出し切れるように準備をしてきているからこそだと思います!」と感嘆の声をあげていました。

そのコメントを聞いて私も強くうなずいていましたが本当に彼の本番に全力を出し切れる能力は群を抜いている気がします。プロの選手が公式戦で全力を出し切るというのは一見当然のことのように聞こえますが実際は口で言うほど簡単なことではありません。身体の調子が悪い、ショットのフィーリングが良くない、気分が乗ってこないといったコンディションの不調は誰しもに起こることでむしろ前向きな要素が揃って試合に臨めるのは稀なことなのです。

ナダルにしても決して特殊な人間という訳ではなく同じようにコンディションの波はあるはず。そういった中でも波が大きくならないように試合前と試合中のルーティーン(チェンジエンドの際走ってポジションに付く・打つ時に声を出す・良いショットが決まったらガッツポーズをつくる)を厳格に守っている。彼は自分がどうなると悪い方向に流れてしまい、どこを抑えればよい方向へ戻していけるのかを知っているのです。

中学2年生になった息子はいまだにメンタル(テンション)の波をコントロールできず昨日と今日では別人のようなテニスをすることがあります。普段の練習からテンションの波をコントロールする訓練をする、そして自分の傾向をよく知ることでナダルのように「常に全力を出し切れる」選手に育ってほしいものです。

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