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快晴34 軸をつくる

7月 23rd, 2013

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

今年最初のテーマは「“軸”をつくる」です。このテーマを選んだのは、ある日本人メジャーリーガーの特番を見たことがきっかけになりました。その選手とは昨年メジャー1年目で大活躍したダルビッシュ投手です。

1年目で日本人最多勝利数である16勝を挙げたダルビッシュ投手ですがシーズン前半は環境の違いなど様々な原因から思い通りのピッチングができずに随分苦しんだようです。投球フォームを試行錯誤しながら何度も何度も改善したもののなかなかしっくりいかずに悶々とした日々を過ごしていたと述懐していました。

その苦しい状況からいくつかのきっかけを経て後半戦ようやく自分らしいピッチングを取り戻し成績も伸ばしていったのですが、そのきっかけのなかでも大きかったのがカットボールという打者の手前で不規則に変化するボールを持ち球にできたことだったようです。不利な状況に追い込まれた時でも自信を持って投げ込むことのできるボール。まさにピッチングの“軸”となる武器を手にしたのです。“軸”が決まったことによって他の球種も活かせるようになり精神的にも落ち着いて投球できるようになったという訳です。

“軸”となるボールを得た、という話を耳にして昨年引退を表明したあるテニス選手が思い浮かびました。アンディー・ロディック選手です。ロディック選手といえば誰もがまず思い浮かべるのはあの豪快なサーブでしょう。彼はサーブというショットを“軸”に世界ナンバー1まで昇りつめました。私が分析するかぎりサーブ以外の要素で彼より優れた選手は山ほどいましたし平均点が高い選手も随分いたと思いますがロディック選手のようには成績を残せませんでした。彼は確固たる“軸”を最大限に活かすことによって弱点を覆い尽くし成果を築いたのです。他では例えばマイケル・チャンなどは小柄な体格(175cm)ながらフットワークの良さを“軸”にして鉄壁のディフェンスからチャンスを生み出しトッププレーヤーの地位(世界2位)を確立しました。私がもしテニスにおいて重要な柱となる要素を挙げろと言われたら即座にサーブ力(スピード・コース・球種)と俊敏なフットワークとこたえるでしょう。

さて、国内ではかなり上位のプロテニス選手の話です。彼は強烈なフォアハンドストロークを“軸”に躍動感あふれるプレーで勝利を重ねていました。さらに上位を狙うためにフォアに比べて弱点と言われていたバックハンドの強化に取り組みました。これまで絶対的に自信のあるフォアを活かすためにバックに飛んできたボールも回り込んでフォアで強打していましたが、バックが安定してきたのでわざわざ強引に回り込むことはやめました。そのとたん全く勝てなくなったというのです。総合的には技術力が増しているはずなのになぜこのようなことが起こったのでしょうか。その答えは“軸”の喪失です。平均点は良くなりましたが“軸”となるショットを殺してしまったために勝ちパターンに持ち込めなくなってしまったのです。

バランスよく平均点を伸ばすことはもちろん大切なことです。幼少期においてはとくに様々な分野に挑戦してあらゆる可能性を高めてほしいと思います。その上である時期には自分と向き合って何を“軸”にするかを決めていくことも重要なポイントになってくるのではないでしょうか。

テニスのプレースタイルに限らず、あの人は筋が通っている、“軸”がしっかりしている、と信頼されるような人間になりたいものですね。

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